私はこうしてプロになりました。田村信二 編 その2
作曲家 田村信二
念願のJ-Popsの作曲家へ
しかし、それとは別に「やっぱり歌もの作りたい」という気持ちがどんどん膨れ上がり、
MUSICMANでレコード会社や事務所の楽曲募集を見つけては送っていましたが、
なかなかいい結果は得られませんでした。
そうしている時に「作家事務所」という存在を知り、自分がいいなと思う作家事務所に手紙とテープを送りました。
面接を受け、とりあえずはコンペに参加させてもらえる状態になりました。
しかし、楽曲の採用は中々されなかったのを覚えています。
コンペの是非はありますが、楽曲作りのモチベーションアップになっていることは確かです。
通ると通らないかは運もあるので、その時その時、自分で出来る最高の曲を作っていればいいと思っています。
実際、ストックとして、そのあとで別で使われる場合もよくあります。
現在も自分が楽曲提供したいと思うアーティストのコンペには積極的に参加していこうと思っています。
提供した楽曲のエピソード1
SMAP:「君を微笑みにかえて」
作曲家として最初の楽曲提供は確かこの曲だったと思います。
デビューした時のバンドのディレクターが、その後、SMAPのディレクターになって、
バンド時代の曲を使いたいということで、 メロディをちょっと手直し採用されました。
本音としては、新曲を使われたかったという思いはありましたが、
やはり何と言ってもSMAPということで、非常にうれしかったです。
そしてその後も自分のキャリアとして、SMAPに曲を書いたという事は、いろんな意味でプラスになっています。
提供した楽曲のエピソード2
島谷ひとみ:「HARVEST MOON」
島谷ひとみさんの3枚目のアルバム「GATE~scenaIII~」に書いた
「HARVEST MOON」は作詞、作曲、編曲とすべて自分でやったので、思い出深いですね。
タイトルは元々違ったワードで、歌詞中でも出てきましたが、そのワードが差別用語なのか、
「使わない方がいいだろう・・」というクレームがあり、書き直したことを覚えています。
※「ジプシー」という言葉です←書けないですが。。
少しラテン系の曲でクラシックギターも生でプロのギタリストに録音してもらいました。
なかなか、作詞、作曲、編曲というのはないですが、LEADという男性4人組ダンスアイドルの
シングル「GET WILD LIFE」も全部関わりました。この前に「ファンキーデイズ!」というシングルも書いていますが、
その時に、次のシングルも絶対採用されるようにと、かなり狙って書いた曲がGET WILD LIFE」と言う曲です。
ラップは最終的に本当のラッパーの人とコラボで書きました、。
GET WILD LIFE/LEAD
よく、「これまでのコンペ等のキャリアの中で、スランプになった時はどう対処したか?」
という質問がされますが、そういう場合は、ちょっと音楽から離れて、一度頭をリセットするのがいいと思います。
リフレッシュの方法は人によって様々ですが、僕の場合は犬の散歩をしたり、
友人と飲みに行ったり。 それが1時間のときもあれば、丸1日の時もあります。
それでもなかなかスランプから抜け出せなければ、逆に無理にでも作ったりする場合もあります。
現実問題として、締め切りが迫っているときは、スランプになる余裕自体ありません。
現在の活動とこれから
現在はフリーとして、様々な音楽制作をしています。
昨年の11月には、自身の会社、「メロディワークス」を立ち上げました。
僕が一番大事にしている”メロディ”を作る仕事ということで、会社名を決めました。
音楽といって、いわゆるメディアに出ているJ-Pop等の音楽だけでなく、巷にはたくさんの音楽があります。
今後はあらゆる音楽を作ってきたいと思います。
現在進行中としては、合唱アイドル『青空スマイル』を全面プロデュース中です。
そして、今後は後輩の育成もしていきます。現在は個人的なレッスンやもう少し大きな規模のスクールも考えています。
そして今年、作曲本を出版します。作曲家になるためのすべてを、出し惜しみなく、書いています。
作曲家を目指している人、特に歌ものを作りたい人、作っている人には是非読んでもらいたいです。
音楽を仕事にする事は大変ですが、今、考えると、やはり途中であきらめず、自分を信じ、
やり続けてきたことが、現在の自分を作ってきたのだと思います。
作品が一人歩きして、誰かが口ずさめるポピュラリティのある作品になれば、ソングライターとしては最高の幸せです。
これからも、ココロに響くメロディを作っていきたいと思います。