コード・テンション講座2〜#系テンションの使い方〜


コードテンション講座 第2回〜#9thと#11th〜

講師:小谷野謙一




コードテンション講座の第2回の今回は、
#の付くテンション「#9th」と「#11th」の使い方と、
その魅力をご紹介致します。


★スリリングな響きを生み出す#9th★

テンション#9thとは、
ルートの増9度上の音です。(例えばCの9thはD#になります)

ちなみに、#9thは「オルタード・テンション」という分類に属します。

ドミナント7のコードをG7で例えると、
コードの構成音はG(ルート)、B(3rd)、D(5th)、F(7th)になり、

テンション#9thはA#になります。

コードネームの書き方は、
「G7(#9)」や、G7のGの斜め右上に小さく#9と表記します。

音楽サプリでは便宜上、

「G7(#9)」という表記の仕方をします。

​#9が加わると、ドミナント・コードは、
前回紹介した9thやb9thよりも、さらにスリリングな響きになります。

また、このテンションは、マイナー・キーを感じさせる特徴を持っています。

しかし、マイナー・キーの中でしか使えない訳ではなく、
メジャー・キーのドミナントでも、
スパイス的な使い方で、魅力的な効果を得る事もできます。

それでは、
マイナー・キーのⅡーⅤーⅠのコード進行で、
その響きの違いを聞き比べてみましょう。


#9thは、実際に使う時は、
#9thtからb9へ移動するケースが多いため、
下のサンプル音源では、Ⅴの部分は「G7(#9)」→「G7(b9)」と移動して
鳴っています。

※このように、ドミナントのテンションが#9→b9へと移動して鳴る場合は、
コードを2つ表記せず、1つにまとめて、G7(alt)と表記する場合もあります。

では早速サンプルを聞いてみましょう。
前半はⅤが普通のドミナント(G7)で、
後半が#9(その後にb9へと移動します)が流れます。

 
 
如何でしょう?
前半の普通のG7はシンプルで手堅い感じがするのに対して、
#9thが加わった後半は、渋く苦みばしった響きになったかと思います。


★独特な高揚感を持つ#11th★

テンション#11thとは、
ルートの増11度上の音です。(例えばCの9thはF#になります)

ドミナント7のコードをG7で例えると、
テンション#11thはC#になります。

コードネームの書き方は、
「G7(#11)」や、G7のGの斜め右上に小さく#11と表記します。


音楽サプリでは便宜上、
「G7(#11)」という表記の仕方をします。

#11thが加わると、独特な高揚感を伴った緊張感のある響きになります。

この響きはこれまで紹介した9th系テンションとは、
全く違ったキャラクターと言えます。

また、このテンションはメジャー・キーでもマイナー・キーでも、
どちらでも普通に使うことが出来ます。


今回ものⅡーⅤーⅠのコード進行で、
その響きの違いを聞き比べてみましょう。

下のサンプルでは、
最初がメジャー・キーでVが普通のドミナント7の場合、
2つめがメジャー・キーでVに#11thが加わった場合、
最後にマイナー・キーでVに#11thが加わった場合の、
3パターンを聞き比べてみましょう。

 
 
如何でしょう?
#11thがメジャー、マイナーどちらのキーの場合でも、
高揚感を持って気持ちのいい緊張感を生み出す事を感じ取って頂けたかと思います。

特にマイナー・キーの中にあっては、
しっとりとしたマイナーの響きの中で、
#11thの高揚感が引き立って聞こえるのが注目点です。

テンションが加わった時の「響きの色」の感じ方は、
人それぞれですが、自分なりの感じかたで、
それぞれのキャラの違いを把握しておく事が大切です。

次回は13thとb13thをご紹介致します。

※今回の音楽サプリは、
コラムの性質上、課題はありませんが、
ご自身で作曲・アレンジした楽器曲のコード進行、
特にテンション部分について、講師から添削が受けられます。
(マスタードの有料会員の方のみ​)

対象となる楽曲の尺は8小節分になりますので、
「楽曲の何分何秒〜何分何秒の部分を添削してほしい」
という形でご質問下さい。


投稿は通常の質問欄からご送付下さい。

※音楽サプリの課題提出については、有料会員のみの受付となります。
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