私はこうしてプロになりました。横田昭 編
はじめに
音楽学校etc.の講義でもよく話すのですが
今、プロでお仕事されている皆さんとは、少し変わった経歴かもしれません。
こんな生き方もあるのだと参考にして頂けるとうれしいです。
バンド活動からキーボーディストの仕事を始める
神戸出身の私は小学校3年生からQueenを聴き、
中学3年生からバンドでライブを始め、
高校の頃は地元のコンテストやライブハウスなどで活動をしていました。
初めての音楽のお仕事は19歳の時でした。
関西で活動するベテランのジャズバンド「Alph Wave」にキーボードで加入し、
500人くらいのディナーショーが初のお仕事のステージでした。
ロックばかりをやっていたのでジャズが全くわからず、
アレンジされたパート譜を必死で追っていたのを覚えています。
タレントさんや歌手のバックバンドやレコーディングetc.のお仕事も「Alph Wave」で初めて
経験させて頂きました。
20歳になり、元NHKの歌のお兄さん新井宗平さんと出会い、
新井さんの所属する音楽事務所に入りました。
事務所に行った日、新井さんが一言。
「このスタジオの機材を1週間で覚えなさい」
横田:「えっ?この機材全部ですか?で、できるのかなぁ?」
今みたいにパソコンで音楽を作るなんてない時代。
そのスタジオにはシーケンサーや沢山の音源が並んでいました。
初めての打ち込みの経験、やってみるとワクワクしました。
ご飯も食べず作業し続けました。
1日で使い方を覚え、3日後には何曲か仕上げて、その3ヶ月後にはECCの人形劇やミキハウスの
イベントの音楽や、ビデオのBGMの製作のお仕事をしていました。
その後、テレビやラジオのジングル、Microsoftの映像BGM、CM等の楽曲提供やアレンジのお仕事に繋がりました。
新井さんの最初の一言、本当に感謝しています。
また、新井さんのバンド「Merry Go Round」にキーボードで参加し、
全国のホールコンサートをまわり始めました。
20歳過ぎで500~2000人くらいのコンサートをドンドンこなす。
この体験は自分には大きく、後に大きなステージをする時にすごく役立ちました。
またその頃は、プライベートでお金を稼がないといけない時期だったので、
やれる仕事は何でもしましたよ。
例えば、ぬいぐるみバンドや日本太鼓を叩くお仕事、オールディーズの仕事もこの頃始めました。
ふとしたキッカケから、ベースや歌の仕事も始めることに
実は、25歳くらいまではキーボードの仕事しかしていなかったのですが、ある時、オールディーズバンドのベーシストが倒れ、
代役として弾いたのが、初のベースの仕事でした。
その数年後にはベーシストとして日本武道館や横浜アリーナに
立つなんて、とても不思議な感じでした。何がキッカケになるかわからないものですね。
あともう一つ、いいキッカケになったのは、
ビートルズ・バンドコンテストでした。
全国で574バンド参加の中で日本一になり、テレビや新聞etc.で紹介して頂き、ボーカリストとしてのイメージができました。
その後、オリジナルやビートルズを歌うライブのお仕事に繋がりました。
現在までの仕事の出会いとキッカケ
その後、アニメやゲーム音楽のアーティストの出会いに恵まれました。
それまでも、いろんなメジャー・アーティストやタレントさんのサポートの仕事はしていましたが、アニメ、ゲーム音楽との出会いは人生変える程の大きな出会いでした。
キッカケは仕事仲間の紹介で、
「ベーシスト探してるよ」という簡単なお話でした。
それがデビューするKOTOKOちゃんで、
5年くらいKOTOKOバンドで活動しました。
そして、島みやえい子さんのバンドにも加入し、今も一緒に音楽をさせて頂いております。
あと、島みやさんのアコースティックライブのギタリストがNGだった時に、
たまたま福山芳樹さんかギターを弾きに来られて出会ったのがキッカケで、
今は福山芳樹バンドのメンバーでキーボードを弾いています。
長々と書きましたが
これまで、いろんな出会いとキッカケがありました。
何が自分の人生の中で育っていくのか、分からないものですよね。
キッカケを見つける事も勿論、大事ですが、
そのキッカケと、どう丁寧に向い合うのかが大事な気がします。
これからも丁寧に大事に向かい合えればと思っています。
横田氏のこれまで手がけた作品リストは、こちらから見られます。