プロ直伝！作詞講座14〜アニソンの書き方《前編》〜
プロ直伝！作詞講座 第14回 ”アニメソングの歌詞の書き方《前編》”
講師：高瀬愛虹
★はじめに★
今回はアニメソング（キャラクターソング）の歌詞の書き方をご紹介します。
キャラクターソングとは、
アニメのキャラクターを演じている声優さんが、
キャラクターを演じながら歌う歌のことを指します。
主題歌などで、声優さんではないアーティストが歌うアニメソングもありますが、
その場合はオープニングやエンディング曲であることがほとんどであり、
アニメの内容に沿った歌詞とそうではない歌詞に分かれます。
今回はアニメソングの中でも、
前者の声優さんがキャラクターを演じながら歌う、
キャラクターソング（以降、キャラソンと略）に特化した内容になります。
★作品とキャラクターを理解する★
《原作や資料を読もう》
キャラソンは、”キャラクターが歌っている”楽曲なので、
特別なオーダーがないかぎり、
基本的には作品とキャラクターに合った歌詞でなくてはいけません。
そのため、作品とキャラクターの理解度を深めるために、
漫画やゲーム、ライトノベルなど、原作のあるものは、
まず原作をよく読むことから始めましょう。
《原作や資料を読むときのポイント》
【１】一人称と語尾をメモ
原作や資料を読むときは、
キャラクターの一人称と語尾をメモしながら読みましょう。
一人称は私や僕だけでなく、
独特なものまで、いろいろあります。
たとえば同じ”私”でも、
漢字の”私”、ひらがなで”わたし”、カタカナで”ワタシ”などもあるので、
表記まで注意しましょう。
歌詞を書く際に表記を統一させると、
キャラクターらしさが出ます。
また、一人称と同じようにキャラクターの語尾にも注意してメモをしましょう。
たとえば、
・ずっと敬語でいるキャラクター
・ずっとタメ口でいるキャラクター
・「〜だょん」など、特徴的な語尾で話すキャラクター
のように、様々です。
メロディよっては、その語尾が上手く乗らないフレーズもありますし、
しつこくなる場合もあるので、
1フレーズずつそのキャラクターの語尾にする必要ありません。
所々に入れるようにすると、
一気にキャラクターらしさが出ます。
それ以外の箇所は、
たとえば名詞止めにしたり、
そのキャラクターが話してもおかしくない語尾にしましょう。
もちろん、二人称も”キミ”なのか？
それとも”君”なのか？もしくは”あなた””なのか？
”貴方”なのか？キャラクターと誰に向けての歌詞になるかも考慮しましょう。
【2】作品の世界観を理解
複雑なストーリーであったとしても、
「ひとことで言うと、この作品はこんな話である」と、
説明できるくらい読み込みましょう。
その物語において、重要なシーンをちゃんと、
”重要なシーン”だと認識できる力も大切です。
その他にも理解しておいたほうが良い点は、
・現実的な世界観か？非日常的な世界観なのか？
・舞台はどこなのか？日本？海外？過去？現在？
・主人公たちの目的な何か？
たとえば、現実的な世界観なのであれば、
物語に描かれていない部分も、
全て現実的であるということになります。
その場合、歌詞も基本的には現実に忠実（現実的）であるほうが良いでしょう。
そして、
作品の中で抽象的なワードや象徴するワードをピックアップします。
このワードが入ることで、
その作品らしさが詰まった歌詞になります。
次回後編では、キャラクターについてを中心に解説します。
※今回の音楽サプリは、
課題曲による作詞の課題はありませんが、
ご自身で用意した楽曲に対し、歌詞をつけたものや、
歌詞だけをお送り頂く形でも構いません。
講師の高瀬氏からてんさくを受けられます。
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