プロ直伝!作詞講座16〜合いの手の作り方《前編》〜
プロ直伝!作詞講座 第16回 ”合いの手の作り方《前編》”
講師:高瀬愛虹
楽曲を聴いていて、
「合いの手」を耳にすることがあると思いますが、
誰が合いの手を作っているのか、気になったことはありませんか?
合いの手には、
例えば「Hey Hey Hey」や「ワン・ツー・レッツゴー」など
いろいろなタイプがあります。
歌とセリフの中間の様な、作曲と作詞の両方の要素を併せ持っているので、
はたして作るのは作曲家?作詞家?
誰が作る役割なのでしょうか?
今回は、合いの手の作詞の仕方についてレクチャーします。
作詞講座ですので、基本的に「作曲家と作詞家が別々の人」という前提で話を進めます。
★合いの手を作るのは誰か?★
それでは早速、合いの手を誰が作っているのか?
の答えから教えます。
その答えは‥
実は誰が作るのか決まりはありません。
作曲家が作る事もあれば、作詞家が作る事もあります。
作曲家が作るパターンでは、
元々のデモ段階で曲の一部として、
合いの手を入れる事を提案する形で作曲されたものがあります。
合いの手ではない、歌のメロディラインの部分は、
作詞家が作詞し、合いの手はその作曲家が提案したものが
そのままリリースされるというパターンです。
このパターンの場合は、
例えば「Hey Hey Hey」などのワード的要素より、
リズム的要素が強い合いの手の場合が多いです。
歌詞カードに載らないこともあります。
作詞家が合いの手を作るパターンは、
上記で説明したような、
作曲家がデモにいれた合いの手のリズムやアクセント、
ニュアンスをなるべく活かしながら、
歌詞の内容に合うように別の合いの手を考えるパターンです。
例えば、「Hey Hey Hey Hey」でしたら、
「バンザイ!賛成!」など、
リズムやアクセント、ニュアンスを活かすつつ、
リズム要素が強かったものから、
ワード的意味合いが強いものに変えることもできます。
そして、もう1パターンとして、
元々、合いの手が入っていないデモに、
合いの手を作詞家が考えるパターンがあります。
具体的に「ここの箇所に合いの手を作ってほしい」
と依頼されるケースと、合いの手を入れる箇所は指定されないが、
「どこかしらに入れてほしい」と依頼される2つのケースがあります。
私の場合は、たまに「ここに合いの手をいれたらどうでしょうか?」
と提案することもあります。
では、元々のデモに、合いの手が入っていない場合は、
どのように、合いの手を作れば良いのでしょうか?
★合いの手がもたらす効果★
合いの手の作り方を説明する前に、
合いの手にはどんな効果があるかを説明します。
・インパクトが出る
歌のメロディ以上に合いの手の方が印象に残りやすいので、
曲全体にインパクトを与える事ができます。
・ノリがよくなり、高揚感がアップする
わかりやすいのが、「Hey Hey Hey Hey」など、
楽曲の拍子やリズムに合わせて断続的につづくようなタイプの合いの手です。
同じ曲でも合いの手がある場合とない場合を想定してみると、
その効果と必要性がよくわかると思います。
このタイプはジャンルでいうと、
ロックであったり、テンポが速めの曲に特に多いです。
・ライブなどでお客さんに歌ってもらえる
例えば以下のように、歌と歌の隙間にあるような合いの手は、
お客さんに一緒に歌ってもらえたり、
掛け合いができます。
♪準備はいいかなぁ〜(オッケー!)それじゃあいくよぉ〜
※(オッケー!)が合いの手で、その他の部分が歌
その他にも、上記の「Hey Hey Hey Hey」なども、
お客さんと一緒に歌いながら盛り上がることもできます。
このように、ライブを盛り上げる楽曲を依頼されているときに、
抜群の効果を発揮します。
合いの手とは、
あくまで楽曲を盛り上げるため、良くするためのものなので、
元々の楽曲が持つ歌のメロディやリズムの良さを邪魔しないよう、
注意しましょう。
今回は、合いの手は誰が作るのか?
どんなパターンがあり、どんな効果があるのか?について、
レクチャーしました。
次回後半は、合いの手を作るときの更なるポイントについてお話しをしていきます。
※今回の音楽サプリは、
課題曲による作詞の課題はありませんが、
ご自身で用意した楽曲に対し、歌詞をつけたものや、
歌詞だけをお送り頂く形でも構いません。
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