プロ直伝!作詞講座17〜合いの手の作り方《後編》〜
プロ直伝!作詞講座 第17回 ”合いの手の作り方《後編》”
講師:高瀬愛虹
今回の作詞講座は前回お話した「合いの手の作り方」の後半です。
前回お話できなかった細かいポイントまでレクチャーします。
前回、「合いの手は、楽曲を盛り上げるため、よくするためのものです。
元々の楽曲が持つ歌のメロディやリズムの良さを邪魔してはいけません」と
説明しましたが、分かっていても難しい作業だと思います。
★録音しながら合いの手を作る★
そこでオススメしたいのが、
録音をしながら合いの手を作るという方法です。
以前、レクチャーした作詞講座9「歌詞を歌おう、録音してみよう」も
参考にしてみて下さい。(作詞講座9をタッチすると講座にジャンプします)
元々デモにはない合いの手を作る場合、
客観的視点を持ちながら合いの手を作るのは難しい事です。
録音をして聴いてみて、
歌のメロディやリズムの流れを邪魔していないか判断して見てください。
合いの手がない方が良いと感じた時は、
別案を考えるか、そもそも合いの手を入れるのに相応しくない場所です。
合いの手があった方が、
より楽曲が良くなると感じられるような合いの手を、
「リズム」や「言葉数の細かさや、多さ」等を変化させながら、
色々な合いの手を録音してみましょう。
また、元々のデモに合いの手がない場合は、
歌詞カードだけだと、どんな合いの手なのかが、
自分以外に伝わりにくくなります。
なるべく、録音したデータも一緒に提案するといいでしょう。
テンション感や合いの手の言い方も的確に伝える事ができます。
また、「一人で言うのか」、「大人数で言うのか」も、
可能であればなるべく再現した方が自分の意図が的確に伝わります。
大人数を想定している合いの手は、重ねて録音をしてみましょう。
録音したデータを提出するときは、
合いの手とオケが一緒になってミックスされたデータと、
合いの手だけのデータと2パターンを用意するのがベストです。
その理由は、音源を聴く側が、
何と言っているのか伝わらなかったり、
合いの手だけを聞く場合や、
オケと合いの手の音量バランスを変更する事があるからです。
★合いの手を入れる場所★
続いては、合いの手を入れる場所についてお話します。
合いの手を入れる場所は、「間奏」か「メロディとメロディの間」です。
・間奏に合いの手入れるパターン
様々な間奏がありますが、
頭サビからAメロが始まるまでや、
1番と2番の間などの4〜8小節程度の間奏に入れる事が特に多いです。
間奏に合いの手を入れる場所は、
シンセサイザーやギターなどのメロディ楽器や、
ドラムやベースなどのリズム楽器の両方をしっかり聴いて、
作曲家さんが作った楽曲の良さを潰さずにより良くできるものを、
考えましょう。
・メロディとメロディの間に入れるパターン
前回、説明した例でいうとこちらがそうです。
♪準備はいいかなぁ〜(オッケー!)それじゃあ〜いくよぉ〜
★最後に★
最後に、ひとつ注意してほしいポイントがあります。
合いの手には「インパクト」や「ノリをよくする」効果がある半面に、
目立ちすぎてしまったり、
コミカルな印象を与えてしまう要素もあります。
カッコイイ曲の場合は、
元々の合いの手と相性が悪い事もあるので、
合いの手を入れないとういう選択をしたり、
または英語の合いの手にするなど、
合いの手のワードができるだけカッコイイ印象を与えるものをセレクトするなど、
工夫をしてみましょう。
以上になりますが、
合いの手は楽曲を良くする効果も悪くする効果もあり、
実は重要な役割を持っている事が分かったと思います。
楽曲をより良くさせるために使いこなせるようにしましょう。
特に作詞家のプロを目指している方は、
普段から楽曲を聴く中で合いの手にも注目してもらいたいです。
実体験ですが、突然「合いの手を入れたいのでどこかに入れて下さい」と
依頼を受けたりします。
”できないもの”はない方が良いです。
インパクトを求めている合いの手の場合は、
インパクトがあるワードにした方がいいので、
今までに新しい合いの手を作るためにも、
どんな合いの手があるのかアンテナを張っておきましょう。
歌のメロディやリズムを活かすなど作曲にも通じる事や、
録音についてはエンジニアさんに通じる事、
実際に自分で歌って録音するなど歌手に通じる事など、
作詞とは遠そうなことも色々なお話をしましたが、
作詞以外のことも知っている方がより良い歌詞が書けます。
文章を扱う事だけが仕事のような印象をお持ちの方も、
ひょっとしたら多いかもしれませんが、
作詞家は”音楽に乗せて歌う詞を作るお仕事”です。
幅広い視野で取り組みましょう。
※今回の音楽サプリは、
課題曲による作詞の課題はありませんが、
ご自身で用意した楽曲に対し、歌詞をつけたものや、
歌詞だけをお送り頂く形でも構いません。
講師の高瀬氏からてんさくを受けられます。
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