オーケストレーション講座4〜音色の組み合わせ・その4〜


オーケストレーション講座 第4回
〜音色の組み合わせ4〜課題つき!


講師:小谷野謙一




これまで3回に渡って連載してきた、
オーケストラの音の組み合わせシリーズの
最終回は弦楽器のピチカート+αです!


★ピチカートを彩る★

オーケストラの弦楽器では、
弓を使って弾く
奏法の他に、
指を使って弦を弾く「ピチカート」という
奏法があります。

ピチカートは、弓での演奏に比べて、
大きな音量を得るのが難しく、
またアタック後に直ぐに音が減衰するため、
デリケートなサウンドと言えます。

メロディに使う場合、
ともすると「音量が足りない」という印象や、
「存在感が足りないのでは?」と案ずる場合もあります。

しかし、このデリケートなサウンドも、
他の楽器と組み合わせることで、
その魅力を保ちながら、力強く聞かせたり、
存在感を増すことができます。

今回はそれらの効果的で魅力的な組み合わせを
幾つか紹介します。


★ピチカート+グロッケン★

今回のサンプル音源で用意したのは、
「ピチカート+グロッケン」効果です。




効果が分かりやすいように、
2小節のメロディを2回繰り返して、

1回目のメロディはピチカートのみの演奏。
2回目のメロディはピチカート+グロッケンで演奏しています。

 

いかがでしょう?
グロッケンが加わってことで、
メロディは、存在感が増して力強い響きになったと思います。​

ピチカートのような減衰系のサウンドには、
同じく減衰系のパートとの相性が良い場合が多いです。


また、減衰系でなくても、
音を短く切るスタッカートでの演奏を加えるのも
いいアイディアです。


★その他のオススメの組み合わせ★

・ピチカート+ハープ
どちらも弦で指を弾いて音を出すため、
減衰系という意味では共通点の多いサウンドです。

しかし、ハープには独特の艶やかな響きがあり、
これがピチカートと加わることで、
よりデリケートで艶やかな音色が得られます。


★その他のオススメの組み合わせ★

・チェロのピチカート+ファゴット(スタッカート)
中低域を支える両者ですが、
チェロのピチカートに、
ファゴットのスタッカートを加えることで、
独特の存在感を得ることができるでしょう。

弦を弾いた「ポンッ」という素朴なサウンドに、
ファゴットの独特のまろやかさが加わり、
少しユーモラスで暖かいサウンドになります。

4回に渡ってオーケストラの音色作りについて
解説していきましたが、音作りの奥深さ、
魅力の片鱗を感じて頂けたら幸いです。


★今回の課題★

上記の講座を踏まえ、
メロディに「ピチカート+α」を加えてみて、
音源を作ってみましょう。

楽曲全てのメロディに楽器を組み合わせる必要はありません。
楽曲の一部、「ここで音色を組み合わせてみたい」と思った所で
構いません。

楽曲を提出される際は、
どこの箇所(例:何分何秒〜何分何秒)で、
ヴァイオリンと何の楽器を組み合わせたのかを、
記入欄に記載の上、投稿ください。


楽曲の長さは通常の投稿(Q&A)と同じく、
90秒まで(プラチナプランに加入の方は3分まで)となります。
90秒を超える楽曲を投稿される場合は、
視聴範囲も指定をお願い致します。


投稿の際は通常の質問欄から投稿下さい。

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