新作詞講座③〜歌いやすさと母音〜
プロが教える!新作詞講座 第3回
”歌いやすさと母音”
講師:高瀬愛虹
これまでの作詞講座で、歌いやすい作詞術として、
フレーズの先頭の言葉の子音についてレクチャーをしました。
(作詞講座⑩「歌いやすくする方法」)
https://www.music-mastered.com/supple/detail/20/
今回は、母音について取り上げます。
歌いやすい歌詞作りに是非役立てて下さい。
母音の特徴
母音によって開く口の形は変わるので、
それぞれ、歌ったときの響に特徴があります。
ア段(あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ)
最も口が大きく開いた形で発生します。
イ段(い、き、し、ち、に、み、り)
抜けの良い響きを持ちますが、口を横に平べったく伸ばすような形になります。
ウ段(う、く、す、つ、ぬ、ふ、む、ゆ、る)
口の大きさが最も小さくなります。
エ段(え、け、せ、て、ね、へ、め、れ)
強さには欠けますが、ア段の次に口を大きく開けます。
オ段(お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ、を)
ウ段の次に開けた口の面積は小さいですが、
響きとしては安定感があります。
母音を意識すべき時とは?
フレーズのひとつひとつもそうですが、
母音を特に意識いなければいけないのは、
フレーズの最後の音が伸びているときです。
その中でも、サビの終わりやBメロの終わりなど、
楽曲の中で見せ場の際にフレーズが伸びる事が多いので、
言葉の乗せかたが最も重要な1音と言えます。
一番響きが良いのは、あ段です。
続いて、え段。
一方で向いていないのはう段になります。
必ずしもあ段とえ段でないといけない訳ではありません。
曲調、テンポ、高さ、どのくらい伸ばすか、
1つ前の音からどのくらい高くなったのか?など、
フレーズの特徴によって変わってきますが、
今まで意識されなかった方は、
フレーズの最後が長く伸びる時に乗せた言葉の母音が、
綺麗であるか考えるようにしてみましょう。
1音に2文字のせて、口を大きく開かせる技
あ段とえ段だけでは、
言葉の数に限りがあるので、
言葉のレパートリーを増やすためのワンポイントアドバイスをします。
●1音に母音があ段orえ段+「い」
例:あきらめたく”なーい”、そばにい”たーい”
●1音に母音があ段orえ段+「ん」
例:あきらめたく”なーい”、そばにい”たーい”
●あ段orえ段の英語を1音にのせる
例:Star,Love,Fore"ver",Days
フレーズによっては、1音に2文字乗せない方がよいときもあります。
歌いながら言葉のはまり具合と響きを考えてみましょう。
最後に
子音の特徴と母音の特徴を知る事で、
パッと思いついたフレーズの響きが悪いときに、
どの言葉の響きが原因なのかがすぐに判定でき、
瞬時に響きの良い言葉に直す事ができるので、
歌詞を作るスピードも早くなります。
そして、普段から子音と母音を意識することで、
歌いやすさのクオリティがどんどん向上していきます。
※今回の音楽サプリは内容の特性上、課題はありませんが、
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